【世界樹の迷宮SRS】レポート
2010.04.06 Tuesday
4日(日)の午後が突然空いたので、
お花見のついでに集まって、テスト的にセッションしてみました。
なんかすごいことになりました!
恥ずかしながら情報の入手が遅く、びっくりして買ってびっくりしながら読んだ次第で、期待するしないどころではない状態だったのですが。
掘り出し物!
楽しかったです!
とりあえずレポート、という事で、まとめてみます!
(ちょっと、レビューというにはおこがましいです、ほんとに、単純に、レポートです)
=========セッティング===========
【シナリオ】付属シナリオ「新米冒険者の心得」
【GM】唯祈
▼世界樹原作未プレイ
相談相手あり(ありろくんが1を隠し要素まで、2を通常クリア済、3プレイ中)
▼頭悪い・ルール理解いちばん遅い・早とちり多い
ルールブック読み込み2日間(マーカー引きまくり付箋貼りまくり)
【PL】いつもの面子
▼ありろくん以外、全員世界樹原作未プレイ
【PC】4人(全員サンプルキャラクターそのまま)
▼ソードマン・パラディン・メディック・アルケミスト
==========================
ありろ君と話し合ったのですが、
あえて原作プレイ経験のない唯祈めがGMを担当しました。
原作ものの不安の常、
原作ファンじゃないと分からない/面白くないのでは、
というのがあった&本当にそうか確かめてみたかったためです。
結果的には、正直、問題ありませんでした。
世界観は分かりよいですし、
今のところ提示されている世界は極論街いっこですし、
街並みから、よく行くお店や施設の中のビジュアルまで
カラーで掲載されていて、すぐ見て共有できるので、
とっても楽々です。
ただ、例えば、プレイヤー4人が経験者、プレイヤー1人とGMが未経験者、
経験者が「違う」「原作ではこう」「こうの筈」と言い張って、
GMは萎縮、未経験者のPLさんがぽかーんと置いてきぼり……
とかいう事態は何があっても避けるべきなので、
事前に、経験・未経験の確認と、
経験者はこのパーティの、このGMのエトリアの街を尊重すること、
未経験者は経験者がいてくれてラッキーありがと!教えてね!の気持ちで
楽しめるようなコンセンサスを取っておく必要はあると思います。
全員原作ファン!という場合なんかは、
自分がDS版で作ったキャラになんとなく性格や設定を考えていたなら
それを表現するのも楽しいと思います!
データはもちろん、ライフパスによる表現が楽しいと思いますよっ。
「没落貴族」とか「異邦人」とか「呪われた家系」とか、
「略奪」を受けた境遇で「力が欲しい」とか、
パーソナルクエスト「居場所を作る」とか、
どうですかっ。そういう設定の子、いませんか。
また、遊ぶのに必須の部分ではないですが、
原作をしっかりプレイしていると「おおっ」と思うネタも
随所にきっちり仕込まれているようです。
重要NPCの書かれ方とか、
原作で全然使えなかったスキルがちゃんと使えるー!とか。
ありろ君がルールブック読みながら、
感心したり吹いたり忙しそうでした。
======結果==================
【ミッション、クエスト】成功
▼街へ帰還2回(仲間の戦闘不能回復1回、長鳴鶏の宿に深夜〜朝宿泊1回)
▼ゲーム内時間経過23時間弱(内訳後述)
▼経験点 PL1人あたり95点取得
【プレイ総時間】6時間ちょっと
===================
プレイ時間。短くはないですね。ただ、遥めらは何やっても多少長引きがちなグループなので、3/4くらいに換算して頂いてよいかと思われます。
あと。
この時間内で、37回戦闘してます。
これは……15年を超えるTRPG人生で初経験だと思います;
内訳は、(迷宮内)戦闘2回、簡易戦闘35回。
簡易戦闘ルールが本当に凄いです。早いです。
慣れてくると一戦闘約5〜8分。(GMはエニーセブン採用)
敵が1体の時なんか2分切ります。
でも、甘くはないです。
ぼーっとしてると死にます。
特にパラディンはカバーアップ(カバーリング)のタイミングを集中して見計らっていないとまずいです。
メディックやアルケミストは、敵前列の3レベルモンスターからの物理攻撃一発で落ちます。今回のプレイ中も、パラディンPLのありろくんがおせんべ食べてる間に人が戦闘不能に。パニック。
その緊張感と、早さ、倒したモンスターが色々な素材を落としてくれることもあって、これがなかなか飽きないんです。
さすがに終盤の10回くらいはなんかもう半分回数自体がオモシロくなってきてました。
が。
逆に言えば、25回は平気だったということですよね。
(そしてたぶん減らそうと思えばほんとはかなり減らせます。
終盤に詳細記述、絵の2枚あるあたりをご覧ください)
このスピード感に乗せられて、右だ左だ、モグラだちょうちょだ、ぎゃー兎だー!落とし穴だー!と迷宮内をぎゃあぎゃあ言いながら駈けずり回り、必死にマッピングし、複雑な分かれ道に悲鳴を上げ、罠にびっくりしまくる冒険探検。このプレイ感は、これほんとにSRSか!?という目新しさでした。
ルールはSRSからほとんど離れていないため、これほど楽しみ方が違う感触になったのは正直驚きました。
SRSでダンジョンメインのセッションができる!というのに惹かれて買ってみたところがあるので、そこは大満足です。
で、あたまわるい遥め嬉しかったのが、ダンジョン、エリアダンジョン、簡易戦闘ルール等が、簡単で分かりやすいこと。簡易戦闘ルールにいたっては、説明、たった1ページです。この負担の軽さで、これだけの体感の違いを作り出すというのは、これは、かっこいい……!
逆に、このために、ルールブックを読んだ段階だと、目新しさが少なく感じられることがあるかもしれません。でもでも、またSRS、と言う前に、遊んでみてください!ホントに違いますよ!
SRSに慣れている環境なら、導入が楽!です!(今回も、急なセッションだったので全員の準備が間に合わず、ルールブックを持っているのも唯祈とありろくんのみ、「SRSだから大丈夫!」と呼びつけて(遥めらアルシャード大大好きです)、以下の説明だけでいけちゃいました)
===================
【事前に説明したところ】
▼世界観
(世界樹の迷宮とは何か、街のシステム、冒険者の立ち位置と仕事、ビジュアル)
▼迷宮のルール
▼戦闘、リソースに関するアルシャードとの違い
・ブレイク無い
・TP(MP)相当キツい
・戦闘不能とかがろくに治らないこと、施薬院と宿のこと
・ブレイクスルーあり、名称は「フォーススキル」
強さは加護や奇跡よりはアリアンの自動取得スキルとか寄り
宿で休めば回数が回復する
【データを配ったもの】
▼サンプルキャラのデータのページ
▼ライフパスの表(P.256〜258。キャラ作成時間短縮のため)
▼消費アイテムと、素材アイテムのはじめの方(P.114〜116)
【セッション中に、使う直前に説明したところ】
▼簡易戦闘ルール
▼独特なバッドステータスについて
その他は質問があった時に。
===================
ダンジョンのルールは、セブンフォートレス、ナイトウィザード、アリアンロッドの軽量版みたいなもので、さすがに絞り込まれていて分かりよいです。前述の3つのどれかをやったことのある方なら更に楽々だと思います。
各クラスのスキルについても、クラスレベルに関係なくどれからでも取得でき(正確には、あるスキルを前提として持っていないと取れないスキルというのがあります)、また、スキルレベルが重要な形で、アリアンやダブルクロスに近いです。
===================
そして、驚きのシングルクラス制。
初期PCはいつも通り3レベルですが、他のSRSで言うと、同じクラスを3つ重ねた形。で、その代わり、1レベルあたり3(=初期で9)与えられるスキルレベルで、好きなスキルを取り、レベルを好きに上げる(例:《弓マスタリー》3lvと、《スリープアロー》1lvと、《パワーショット》2lvと、《TECブースト》3lv)ことで、好きな系統のキャラを作っていきます。一部のMMOっぽい感じですね。
コンシューマゲームやMMOが好きで、TRPGは未経験、という人を引っぱり込む時に、もしかしたらアルシャードよりこっちのほうが楽なんじゃ……と思ってしまいました。
===================
ただ、逆に、「コンシューマーっぽさ」を強く嫌う方がいらっしゃる環境にはお勧めできません。それと、いわゆるリアルリアリティを追及してしまう方や、プレイ中悪気はなくとも必死になりすぎて、GMとPLの協力態勢を忘れてしまいがちな方も、避けたほうがいいかなと思います。
たとえば、
ひとつの大きな広間に踏み込んだ時。
広間の西の端のほうは、隣のタイルに食い込んでいるため、
壁はないけれど、ルール的に視認することができません、という場合に。
(こういう状態です)
→「なんで?壁もないのに、見えないのおかしいじゃん」
→「きっと、広すぎて端のほうが暗くて見えないんだね」
「樹がいっぱいあるんだし、間を歩くことはできても、
枝や葉が邪魔でここからあのへんはよく見えないとか」
前者の方はやめた方がいいです。
できれば後者型の協力ができた方が、
自分たちでイメージを広げて、それこそコンシューマーっぽさを薄めていけると思います。
その上で、GMはもちろんTRPGらしく、
柔軟な対応をしてゆければ。
(今回あった事態↓
「GM、その泉の水、さっき拾ったブーツに入れて持ってってもいい?」
「君が飲めるならね!?」)
===================
【その他】
【戦闘回数について】37回という回数について。
この回数は、初回だから杓子定規にやったらどうなるのか
試してみよう、ということにした結果です。
正直、ちょっとの工夫で10回前後まで減らせると思います。
▼タイルを変な風にまたがないマップにする
(掲載のマップは原作ママなので、タイルをまたぐことに関して特に考慮がない)
「変な風にまたぐ」というのは、下のような場合のことです。
(暗い部分が歩ける所とご覧ください)
↑これだと、(1)の場所から、(2)へ行って行き止まりを調べ、
(1)まで戻ってくる…というチョコっとした移動の際に
杓子定規に、タイルをまたぐたびに遭遇を起こしていると、
B・C・D・C・B・Aと、最大6回戦闘が起こります。
(で、サンプルシナリオの遭遇率だと、ほぼ全部起こりえます)
なので、そもそも
↑こうなるようにマップを作ったなら、
(1)→(2)→(1)の移動によるランダム遭遇は0回になります。
あるいはもっと単純に、
▼1sqしか通らないタイル等ではランダム遭遇を起こさない
(モンスター遭遇表は「ROC」です、GMは遭遇無しを任意にchoiceできます)
あとは、
▼シナリオで使うダンジョンの、
タイルごとの遭遇表・パターン表への修正を低めにする
(サンプルシナリオはかなりのタイルが+4になっています)
▼PL、PCが、逃げる時は逃げる
(今回我々イキオイ余って殺意満載過ぎました
そのせいで経験点もえらいことに)
とかで、いくらでも何とかなると思います。
【ゲーム内時間経過】23時間?
シナリオ的に、ミッションの時間制限があったので、
以下のような形で時間をカウントしていった結果です。
▼タイルを移動するたびに10分経過
↑これはルールブックP.149の記述に従ってみました。
あとは試しに、
▼戦闘は1ラウンドあたり5分経過
▼その他、判定の必要な能動行動は一律10分(宝箱に罠がないか調べてみるなど)
▼街の中心部と迷宮入口の間の移動は30分
としていました。
迷宮内での非戦闘時の行動については、
F.O.E.が出るフロアになれば、もう少し細かくラウンド単位での時間経過を管理するようになるはずなので、一律10分とか変なことしなくても、ラウンドと同じ時間で処理できるようになると思います。
▼長鳴鶏の宿の「半日休憩」の時間について
普通の宿泊でも、24時間滞在するわけではない(できない)ので、
「半日」=12時間というカウントはしませんでした。
お宿に「1日」泊まる、と言うのは、
夕方チェックインして朝まで泊まる事を指すよね、ということで……
今回は夜になっていたので、
「真夜中までに」チェックインすれば、規定の朝5時まで休めば回復できると裁定しました。
朝や昼間に休憩を始めた場合のことを考えていなかったのですが
とりあえず私は、今回のこれを参考に、
半日休憩=6時間前後とカウントしようかなと考えています。
【F.O.E.について】
原作でも恐れられている、
「なんかうろうろしてる超強いモンスター」F.O.E.。
これもしっかりルールがあります。
それぞれの行動パターンに従ってうろつく彼らは、
パーティが迷宮を歩き回るのと同時に、じわじわ移動しています。
彼らに襲われないよう、頭をひねり工夫しながら進む緊張感が
飽きさせず、工夫させる、世界樹の特長のひとつだと思います。
B1にはいないので今回は使えませんでしたが、
B2以降には出るようなので、
またずいぶん違う感触で楽しめると思います。
そんな感じで。
GM/PLとも負担が軽い割りに、
賑やかで濃密な迷宮探検が楽しめる、なんだかお得!なシステムです。
下層に行くにつれ、謎や疑惑の渦巻くシリアスな展開にもなってゆきますし、そのへんの工夫の自由度も高いので、単数あるいは複数パーティでのゆるやかなキャンペーンも楽しそうです。
ダンジョンものの常で、ともすればルール的処理が忙しくて追われがちになるので、ロールが自然にぽんぽん出てくるようなPCや、仲間との関係なんかが作れれば最高だと思います。迷宮にもぐる目的(ライフパスで考えます)についても合間合間に仲間と話したりして、マスターは彼らが下層へ進んだ時にどんな葛藤に陥るか、ほくそ笑みながらシナリオメモを蓄えるがいいです。
簡易戦闘ルール、迷宮ルールは、他のSRSへの応用いけると思います。場合によってめちゃくちゃになりそうな、アルシャードの高レベル環境あたりで今度実験してみます。
また、今回は使っていませんが、エリアダンジョンルールにいたっては、他のシステムへの転用(SRSに限らない)や、シナリオ作成のツールとしての応用がばりばり利くと思います。
また、SRS系のほぼ共通なルールにも、おお、そういえば、という微調整が入っているので(戦闘移動の最大距離、エニーセブンありなど)、GMは「いつものあたりか」と思うページも一応かっちり目を通すのがお勧めです。そのうち他のSRSへの採用や逆輸入があるのではないかと思う部分もあります。
そのあたりを含めて、やっぱりお得な感じです。
サプリメントも期待です!
ダンジョンの罠のバリエーションや、F.O.E.が実際に動くシナリオ例や……ありろくんは、マルチクラスも、サプリが出たらあるのかな?と言っています(原作の3では出てきたみたいです)
以下は妄言です。
お花見のついでに集まって、テスト的にセッションしてみました。
なんかすごいことになりました!
恥ずかしながら情報の入手が遅く、びっくりして買ってびっくりしながら読んだ次第で、期待するしないどころではない状態だったのですが。
掘り出し物!
楽しかったです!
とりあえずレポート、という事で、まとめてみます!
(ちょっと、レビューというにはおこがましいです、ほんとに、単純に、レポートです)
=========セッティング===========
【シナリオ】付属シナリオ「新米冒険者の心得」
【GM】唯祈
▼世界樹原作未プレイ
相談相手あり(ありろくんが1を隠し要素まで、2を通常クリア済、3プレイ中)
▼頭悪い・ルール理解いちばん遅い・早とちり多い
ルールブック読み込み2日間(マーカー引きまくり付箋貼りまくり)
【PL】いつもの面子
▼ありろくん以外、全員世界樹原作未プレイ
【PC】4人(全員サンプルキャラクターそのまま)
▼ソードマン・パラディン・メディック・アルケミスト
==========================
ありろ君と話し合ったのですが、
あえて原作プレイ経験のない唯祈めがGMを担当しました。
原作ものの不安の常、
原作ファンじゃないと分からない/面白くないのでは、
というのがあった&本当にそうか確かめてみたかったためです。
結果的には、正直、問題ありませんでした。
世界観は分かりよいですし、
今のところ提示されている世界は極論街いっこですし、
街並みから、よく行くお店や施設の中のビジュアルまで
カラーで掲載されていて、すぐ見て共有できるので、
とっても楽々です。
ただ、例えば、プレイヤー4人が経験者、プレイヤー1人とGMが未経験者、
経験者が「違う」「原作ではこう」「こうの筈」と言い張って、
GMは萎縮、未経験者のPLさんがぽかーんと置いてきぼり……
とかいう事態は何があっても避けるべきなので、
事前に、経験・未経験の確認と、
経験者はこのパーティの、このGMのエトリアの街を尊重すること、
未経験者は経験者がいてくれてラッキーありがと!教えてね!の気持ちで
楽しめるようなコンセンサスを取っておく必要はあると思います。
全員原作ファン!という場合なんかは、
自分がDS版で作ったキャラになんとなく性格や設定を考えていたなら
それを表現するのも楽しいと思います!
データはもちろん、ライフパスによる表現が楽しいと思いますよっ。
「没落貴族」とか「異邦人」とか「呪われた家系」とか、
「略奪」を受けた境遇で「力が欲しい」とか、
パーソナルクエスト「居場所を作る」とか、
どうですかっ。そういう設定の子、いませんか。
また、遊ぶのに必須の部分ではないですが、
原作をしっかりプレイしていると「おおっ」と思うネタも
随所にきっちり仕込まれているようです。
重要NPCの書かれ方とか、
原作で全然使えなかったスキルがちゃんと使えるー!とか。
ありろ君がルールブック読みながら、
感心したり吹いたり忙しそうでした。
======結果==================
【ミッション、クエスト】成功
▼街へ帰還2回(仲間の戦闘不能回復1回、長鳴鶏の宿に深夜〜朝宿泊1回)
▼ゲーム内時間経過23時間弱(内訳後述)
▼経験点 PL1人あたり95点取得
【プレイ総時間】6時間ちょっと
===================
プレイ時間。短くはないですね。ただ、遥めらは何やっても多少長引きがちなグループなので、3/4くらいに換算して頂いてよいかと思われます。
あと。
この時間内で、37回戦闘してます。
これは……15年を超えるTRPG人生で初経験だと思います;
内訳は、(迷宮内)戦闘2回、簡易戦闘35回。
簡易戦闘ルールが本当に凄いです。早いです。
慣れてくると一戦闘約5〜8分。(GMはエニーセブン採用)
敵が1体の時なんか2分切ります。
でも、甘くはないです。
ぼーっとしてると死にます。
特にパラディンはカバーアップ(カバーリング)のタイミングを集中して見計らっていないとまずいです。
メディックやアルケミストは、敵前列の3レベルモンスターからの物理攻撃一発で落ちます。今回のプレイ中も、パラディンPLのありろくんがおせんべ食べてる間に人が戦闘不能に。パニック。
その緊張感と、早さ、倒したモンスターが色々な素材を落としてくれることもあって、これがなかなか飽きないんです。
さすがに終盤の10回くらいはなんかもう半分回数自体がオモシロくなってきてました。
が。
逆に言えば、25回は平気だったということですよね。
(そしてたぶん減らそうと思えばほんとはかなり減らせます。
終盤に詳細記述、絵の2枚あるあたりをご覧ください)
このスピード感に乗せられて、右だ左だ、モグラだちょうちょだ、ぎゃー兎だー!落とし穴だー!と迷宮内をぎゃあぎゃあ言いながら駈けずり回り、必死にマッピングし、複雑な分かれ道に悲鳴を上げ、罠にびっくりしまくる冒険探検。このプレイ感は、これほんとにSRSか!?という目新しさでした。
ルールはSRSからほとんど離れていないため、これほど楽しみ方が違う感触になったのは正直驚きました。
SRSでダンジョンメインのセッションができる!というのに惹かれて買ってみたところがあるので、そこは大満足です。
で、あたまわるい遥め嬉しかったのが、ダンジョン、エリアダンジョン、簡易戦闘ルール等が、簡単で分かりやすいこと。簡易戦闘ルールにいたっては、説明、たった1ページです。この負担の軽さで、これだけの体感の違いを作り出すというのは、これは、かっこいい……!
逆に、このために、ルールブックを読んだ段階だと、目新しさが少なく感じられることがあるかもしれません。でもでも、またSRS、と言う前に、遊んでみてください!ホントに違いますよ!
SRSに慣れている環境なら、導入が楽!です!(今回も、急なセッションだったので全員の準備が間に合わず、ルールブックを持っているのも唯祈とありろくんのみ、「SRSだから大丈夫!」と呼びつけて(遥めらアルシャード大大好きです)、以下の説明だけでいけちゃいました)
===================
【事前に説明したところ】
▼世界観
(世界樹の迷宮とは何か、街のシステム、冒険者の立ち位置と仕事、ビジュアル)
▼迷宮のルール
▼戦闘、リソースに関するアルシャードとの違い
・ブレイク無い
・TP(MP)相当キツい
・戦闘不能とかがろくに治らないこと、施薬院と宿のこと
・ブレイクスルーあり、名称は「フォーススキル」
強さは加護や奇跡よりはアリアンの自動取得スキルとか寄り
宿で休めば回数が回復する
【データを配ったもの】
▼サンプルキャラのデータのページ
▼ライフパスの表(P.256〜258。キャラ作成時間短縮のため)
▼消費アイテムと、素材アイテムのはじめの方(P.114〜116)
【セッション中に、使う直前に説明したところ】
▼簡易戦闘ルール
▼独特なバッドステータスについて
その他は質問があった時に。
===================
ダンジョンのルールは、セブンフォートレス、ナイトウィザード、アリアンロッドの軽量版みたいなもので、さすがに絞り込まれていて分かりよいです。前述の3つのどれかをやったことのある方なら更に楽々だと思います。
各クラスのスキルについても、クラスレベルに関係なくどれからでも取得でき(正確には、あるスキルを前提として持っていないと取れないスキルというのがあります)、また、スキルレベルが重要な形で、アリアンやダブルクロスに近いです。
===================
そして、驚きのシングルクラス制。
初期PCはいつも通り3レベルですが、他のSRSで言うと、同じクラスを3つ重ねた形。で、その代わり、1レベルあたり3(=初期で9)与えられるスキルレベルで、好きなスキルを取り、レベルを好きに上げる(例:《弓マスタリー》3lvと、《スリープアロー》1lvと、《パワーショット》2lvと、《TECブースト》3lv)ことで、好きな系統のキャラを作っていきます。一部のMMOっぽい感じですね。
コンシューマゲームやMMOが好きで、TRPGは未経験、という人を引っぱり込む時に、もしかしたらアルシャードよりこっちのほうが楽なんじゃ……と思ってしまいました。
===================
ただ、逆に、「コンシューマーっぽさ」を強く嫌う方がいらっしゃる環境にはお勧めできません。それと、いわゆるリアルリアリティを追及してしまう方や、プレイ中悪気はなくとも必死になりすぎて、GMとPLの協力態勢を忘れてしまいがちな方も、避けたほうがいいかなと思います。
たとえば、
ひとつの大きな広間に踏み込んだ時。
広間の西の端のほうは、隣のタイルに食い込んでいるため、
壁はないけれど、ルール的に視認することができません、という場合に。
(こういう状態です)
→「なんで?壁もないのに、見えないのおかしいじゃん」
→「きっと、広すぎて端のほうが暗くて見えないんだね」
「樹がいっぱいあるんだし、間を歩くことはできても、
枝や葉が邪魔でここからあのへんはよく見えないとか」
前者の方はやめた方がいいです。
できれば後者型の協力ができた方が、
自分たちでイメージを広げて、それこそコンシューマーっぽさを薄めていけると思います。
その上で、GMはもちろんTRPGらしく、
柔軟な対応をしてゆければ。
(今回あった事態↓
「GM、その泉の水、さっき拾ったブーツに入れて持ってってもいい?」
「君が飲めるならね!?」)
===================
【その他】
【戦闘回数について】37回という回数について。
この回数は、初回だから杓子定規にやったらどうなるのか
試してみよう、ということにした結果です。
正直、ちょっとの工夫で10回前後まで減らせると思います。
▼タイルを変な風にまたがないマップにする
(掲載のマップは原作ママなので、タイルをまたぐことに関して特に考慮がない)
「変な風にまたぐ」というのは、下のような場合のことです。
(暗い部分が歩ける所とご覧ください)
↑これだと、(1)の場所から、(2)へ行って行き止まりを調べ、
(1)まで戻ってくる…というチョコっとした移動の際に
杓子定規に、タイルをまたぐたびに遭遇を起こしていると、
B・C・D・C・B・Aと、最大6回戦闘が起こります。
(で、サンプルシナリオの遭遇率だと、ほぼ全部起こりえます)
なので、そもそも
↑こうなるようにマップを作ったなら、
(1)→(2)→(1)の移動によるランダム遭遇は0回になります。
あるいはもっと単純に、
▼1sqしか通らないタイル等ではランダム遭遇を起こさない
(モンスター遭遇表は「ROC」です、GMは遭遇無しを任意にchoiceできます)
あとは、
▼シナリオで使うダンジョンの、
タイルごとの遭遇表・パターン表への修正を低めにする
(サンプルシナリオはかなりのタイルが+4になっています)
▼PL、PCが、逃げる時は逃げる
(今回我々イキオイ余って殺意満載過ぎました
そのせいで経験点もえらいことに)
とかで、いくらでも何とかなると思います。
【ゲーム内時間経過】23時間?
シナリオ的に、ミッションの時間制限があったので、
以下のような形で時間をカウントしていった結果です。
▼タイルを移動するたびに10分経過
↑これはルールブックP.149の記述に従ってみました。
あとは試しに、
▼戦闘は1ラウンドあたり5分経過
▼その他、判定の必要な能動行動は一律10分(宝箱に罠がないか調べてみるなど)
▼街の中心部と迷宮入口の間の移動は30分
としていました。
迷宮内での非戦闘時の行動については、
F.O.E.が出るフロアになれば、もう少し細かくラウンド単位での時間経過を管理するようになるはずなので、一律10分とか変なことしなくても、ラウンドと同じ時間で処理できるようになると思います。
▼長鳴鶏の宿の「半日休憩」の時間について
普通の宿泊でも、24時間滞在するわけではない(できない)ので、
「半日」=12時間というカウントはしませんでした。
お宿に「1日」泊まる、と言うのは、
夕方チェックインして朝まで泊まる事を指すよね、ということで……
今回は夜になっていたので、
「真夜中までに」チェックインすれば、規定の朝5時まで休めば回復できると裁定しました。
朝や昼間に休憩を始めた場合のことを考えていなかったのですが
とりあえず私は、今回のこれを参考に、
半日休憩=6時間前後とカウントしようかなと考えています。
【F.O.E.について】
原作でも恐れられている、
「なんかうろうろしてる超強いモンスター」F.O.E.。
これもしっかりルールがあります。
それぞれの行動パターンに従ってうろつく彼らは、
パーティが迷宮を歩き回るのと同時に、じわじわ移動しています。
彼らに襲われないよう、頭をひねり工夫しながら進む緊張感が
飽きさせず、工夫させる、世界樹の特長のひとつだと思います。
B1にはいないので今回は使えませんでしたが、
B2以降には出るようなので、
またずいぶん違う感触で楽しめると思います。
そんな感じで。
GM/PLとも負担が軽い割りに、
賑やかで濃密な迷宮探検が楽しめる、なんだかお得!なシステムです。
下層に行くにつれ、謎や疑惑の渦巻くシリアスな展開にもなってゆきますし、そのへんの工夫の自由度も高いので、単数あるいは複数パーティでのゆるやかなキャンペーンも楽しそうです。
ダンジョンものの常で、ともすればルール的処理が忙しくて追われがちになるので、ロールが自然にぽんぽん出てくるようなPCや、仲間との関係なんかが作れれば最高だと思います。迷宮にもぐる目的(ライフパスで考えます)についても合間合間に仲間と話したりして、マスターは彼らが下層へ進んだ時にどんな葛藤に陥るか、ほくそ笑みながらシナリオメモを蓄えるがいいです。
簡易戦闘ルール、迷宮ルールは、他のSRSへの応用いけると思います。場合によってめちゃくちゃになりそうな、アルシャードの高レベル環境あたりで今度実験してみます。
また、今回は使っていませんが、エリアダンジョンルールにいたっては、他のシステムへの転用(SRSに限らない)や、シナリオ作成のツールとしての応用がばりばり利くと思います。
また、SRS系のほぼ共通なルールにも、おお、そういえば、という微調整が入っているので(戦闘移動の最大距離、エニーセブンありなど)、GMは「いつものあたりか」と思うページも一応かっちり目を通すのがお勧めです。そのうち他のSRSへの採用や逆輸入があるのではないかと思う部分もあります。
そのあたりを含めて、やっぱりお得な感じです。
サプリメントも期待です!
ダンジョンの罠のバリエーションや、F.O.E.が実際に動くシナリオ例や……ありろくんは、マルチクラスも、サプリが出たらあるのかな?と言っています(原作の3では出てきたみたいです)
以下は妄言です。
できることはなかなか目新しいのに、
覚えるルールは多くなく、分かりやすい!
軽い感触で新鮮味。お得感!
……馬鹿っぽい語彙ですみません
これ、でも、作る側としてはいちばん難しいこと……ですよね すごい…
やりたいことを追加する時に、
いちいち煩雑なルールを無制限にずるずる追加していいなら簡単。
今あるものの使い方を工夫することで何とかできないか、
増える部分があるならどの形がいちばん分かりやすいか、
リアリティとプレイアビリティの最大公約数はどこか、
それを煮詰めて突き詰めて、
製品という完成品として覚悟を決めて手渡されたものがこれなのだとしたら
これは何たるかっこよさ。
ルールの「デザイン」てこういうことなんだなあと、感銘を受けると同時に
他のシステムでもそういうのいっぱいあるわけでと思うと
改めてなにかもう本棚に向かって敬礼のこころもちでした
TRPGバンザイ!デザインに関わる方々のすべての苦心と議論とアイデアに!敬礼!(セッション後テンション
覚えるルールは多くなく、分かりやすい!
軽い感触で新鮮味。お得感!
……馬鹿っぽい語彙ですみません
これ、でも、作る側としてはいちばん難しいこと……ですよね すごい…
やりたいことを追加する時に、
いちいち煩雑なルールを無制限にずるずる追加していいなら簡単。
今あるものの使い方を工夫することで何とかできないか、
増える部分があるならどの形がいちばん分かりやすいか、
リアリティとプレイアビリティの最大公約数はどこか、
それを煮詰めて突き詰めて、
製品という完成品として覚悟を決めて手渡されたものがこれなのだとしたら
これは何たるかっこよさ。
ルールの「デザイン」てこういうことなんだなあと、感銘を受けると同時に
他のシステムでもそういうのいっぱいあるわけでと思うと
改めてなにかもう本棚に向かって敬礼のこころもちでした
TRPGバンザイ!デザインに関わる方々のすべての苦心と議論とアイデアに!敬礼!(セッション後テンション